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キミの痛みは

ちょい怪我なのはさんを本当の意味で諌められるのもすずかさんが一番しっくりくるな、と。

フェイトさんでもいいんだけど、すずかさんのギャップが個人的に萌え萌えきゅんなもので。

今回は、すずなの♪

なのはとすずかの視点が交互に移ろいます。
それぞれ最初のパートに、詩みたいなものがつきますが、それを読まなきゃ内容が分からないようなものではありません。




あ、えっと。ちょっとだけ、えろいかも。

えろいの求めて来て下さった人は物足りぬくらいで、嫌な人はいやなくらいです。


一応、R15と叫んどきます(笑)


追記よりお願いします。。。











【キミの痛みは】





N-side

彼女と出会ったのは、もうずいぶん昔。
気の強い女の子にいたずらされて。
言い返せない、大人しい子。
だから、はっとした。
あの子と私をとめたのは。
他ならぬ彼女のたった一言。
絆を作った一言が。
中庭に響いた。
ふとした瞬間ドキリとするのだ。
いつもは見せない強靭さ。
それが少し垣間見える。
たった、それだけで。





「なのは!!」「なのはちゃん!!」
連日の戦闘で久しぶりとなる登校。自分の体操着をもう一度確認する。

・・・大丈夫、ばれないはず。

私は肩と腕の包帯が見えないことを再度チェックする。長袖の体操ジャージを念入りに伸ばす。午前の授業には残念ながら間に合わなかったので、今は昼休み。
教室に入ると、ただならぬ形相でかけよってきたのははやてちゃんとフェイトちゃんだった。
「なのは!!大丈夫だったのっ・・・!!この間の武装隊の戦闘、なのは、他の戦闘員をかばって怪我したって・・・」
全然連絡くれないから、とフェイトちゃんの頬に、涙がつっと伝うのが見えた。
「にゃはは、そんなに大したことなかったんだけど、レイジングハートを預けなくちゃいけなくなって・・・2、3日連絡とれなくてごめんね?」
その涙を指で拭う。私が逆の立場でもおそらくすごく不安だっただろう。
「ほんまに動いて大丈夫なん?クロノくん、明日まで入院やって言うてたけど」
「心配かけちゃったね。でもほら、この通り、ぜーんぜんっだいじょうぶっっ!!」
ガッツポーズをして見せても二人は、心配顔のままだった。今日来たかったのは、みんなに会いたいという自分の我儘だ。そんな我儘でみんなに心配をかけるわけにはいかない。
中学3年生も残りわずか。会いたい理由はそれこそ山のようにあった。
「なのはっ!!」
どこかへ行っていたらしいアリサちゃんが戻ってきた。戻ってくるなり、いきなり額を指で弾かれた。その後すぐ、乱暴に抱きしめられる。どうやら予想以上に打撲が多いらしい。
「あんたってほんとばかね!!フェイトから連絡がとれないって聞かされたときはもうっ・・・あたしたちを一体何度心配させたら気が済むのよ!!??」
「ご、ごめんね、アリサちゃん・・・」
アリサちゃんの頭を撫でると、ようやく解放された。
「あたしやすずかはあんたの世界の『魔法』とかがいまだによく分かってないのよ!?あんたがどのくらい無理して、どのくらい危険か、とか全然分からないのよ!!??・・・心配かけんじゃないわよっ!!」
「ごめんなさい・・・」
「アリサちゃん・・・?そのくらいで。なのはちゃんも反省してるみたいだし」
突然の彼女の声に小さく震える。知っているのか、知らないのか探ろうにも探れないが、彼女の怒りが何より私は怖かった。
「まったくっっ」
アリサちゃんはまだ言いたりないようだったが、すずかちゃんになだめられてそれ以上は言わなかった。
「ほら、ノートよ。ありがたく使いなさいっ!!」
そっぽを向いてノートを差し出すアリサちゃんに、ありがとうと抱きついてお礼を言うと、今度は慌てたように振り払われた。
「でも、なのは?アリサの言う通りだよ。二人は魔法に詳しくないし、その魔法でなのはが傷つくたびにどれほど心配してるか。きちんと考えなきゃね?」
「はぁぃ・・・」
フェイトちゃんに静かに怒られた私は、大人しく返事をする。
「まぁ、なのはちゃんやしな。でも、あまり無茶するようやったら、桃子さんに報告せなあかんな?」
「にゃっ!!それはやめてー・・・反省したっ、もう反省したよーっ!!」
はやてちゃんのいじわるな微笑みに、危機感を覚えすぐに反省の意を示した。
「それならこれでこの話は終わりや」
はやてちゃんはこう言う時、お母さんみたいに上手に話を切り上げてくれる。
次は体育。体育館に移動しようとした時、急激な目まいに体が傾いだ。
「・・・っ」
倒れそうだった私の背中を誰かの手が支えてくれた。その手のお陰で、どうにか、倒れて頭を打たずにすんだらしい。
「すずか、ちゃん?」
みんなはもう、席に戻ろうとして見ていなかったようだ。
「あ、ごめんねなのはちゃん。ぶつかっちゃったね」
すずかちゃんは、優しく微笑んだ。
明らかに私を支えるために出された左手をゆっくりとどける。
小学生の頃よりも、身長も伸びて、大人びた顔つきで、ゆっくりと微笑まれているだけなのに、ゾクリと体が震える。知っている、彼女の微笑はそう語っていた。
「だ、だいじょうぶ。だいじょうぶだよ、ごめんね?」
私は慌てて体育館に向かった。

・・・ばれてない、よね









S-side

彼女が堕ちたのは、いつだったろう。
たくさんのものを守ろうとして。
正義感溢れる、一途な子。
だから、はっとした。
彼女を世界に引きとめるには。
私は無力でいられない。
彼女を繋ぐ唯一の言葉。
命を守る一言を。
届いて。
ふとした瞬間ドキリとするのだ。
いつも通りの強靭さ。
失う恐怖が垣間見える。
たった、それだけで。



彼女と連絡がとれない。昨日友人がそう言っていたのが、耳に木霊する。窓の外を眺める。「あちら」の世界に彼女が行ったのは先日。
「次元世界」や「ロストロギア」と言われても、理解はまだまだ及ばない。
とにかく。

―――1つの「世界」を破滅させるだけの「危険な者」を「悪い人」が使おうとしているらしい

強大な「魔法」という恐ろしい脅威に対して、強大な「魔法」の資質があるというだけで、彼女はいつだって駆り出される。そして、時々怪我をする。
傷つく彼女を目の前にして、私は見送ることしかできない。何せ引きとめようとする度に彼女の瞳はこう訴える。

―――困っている人がいて、助けてあげられる力が自分にあるなら、その時は迷っちゃいけない

彼女の父親の教えだそうだ。
だから私はいつも微笑んで、彼女の手を離す。
『いってらっしゃい』   ・・・いかないで
そして数日経った。
数日ぶりに見る彼女は、満身創痍だった。

「・・・っ」
倒れそうだった彼女の背中をとる。どうにか、倒れずにすんでよかった。
「すずか、ちゃん?」
みんなはもう、席に戻ろうとして見ていなかったようだ。
「あ、ごめんねなのはちゃん。ぶつかっちゃったね」
彼女は知られたくないようだった。しかし、帰ってきた彼女には。知ってもらわねばならない。彼女の一途さは、時に彼女を蝕む毒となる。彼女の正義感は、時に彼女を殺す刃となる。だから見つめる。
「だ、だいじょうぶ。だいじょうぶだよ、ごめんね?」
だいじょうぶ、彼女は「いつも」のようにそう言った。
その悲しげな微笑みで。青く澄んだ瞳にうつるすべてを守るために、彼女は自身を平気で捨てる。











N-side

「体操隊形にひらけ!!」
先生の声に、わらわらと一段が開く。体育は出たくないのだが、みんなが心配するといけないので、出ることにした。重たい体をひきずるように体操を終わらせると、また目眩が来る。首をひねってストレッチをしているように誤魔化し、すずかちゃんを横目で見る。見ていないようだ。
「今日こそ負けないわよっっ!!」
アリサちゃんはサッカーでフェイトちゃんに勝つことに執念をもやしている。
「うわぁ・・・うちはアリサちゃんと同じチームなんかぁ・・・」
「何よはやて、喧嘩売ってんの!!??」
はやてちゃんとアリサちゃん、そして私のチーム。
「にゃはは・・・」
私は笑うしかない。少し攣った足を軽くほぐしていると、また目眩。これにははやてちゃんも眉をひそめる。
「なのはちゃん、さっきから様子おかしいようやけど・・・」
「そんなことないよ?」
そう言って再びガッツポーズをする。するといきなりはやてちゃんにその腕をとられた。
そして、大声で叫ぶ。
「せんせー、高町さん、熱でふらふらしてまーす」
「ちょっ、なに言ってんのはやてちゃんっっ・・・!!」
彼女はしかし離さなかった。はやてちゃんの声が頭に直接響いてくる。念話だ。
『なのはちゃん、ガッツポーズはいっつも左手でしよるんよ?』
つかまれたままの右手がびくりと震えた。
『さっきのすずかちゃんの態度も気になっとったしな?』
どうやら先ほども見られていたようだ。少し視線を上げると、アリサとフェイトもこちらを心配そうに見ていた。
「高町、大丈夫か?」
体育の先生から尋ねられる。
「少し・・・」
私は、どうしたいのだろう。
「少し・・・えっと・・・」
みんなと一緒にいたい。しかし、これ以上心配もかけたくない。
すずかちゃんが、私と先生の間にそっと割り込む。
「先生、私がつきそってもいいですか?」
いつもの微笑みで、静かに尋ねる。
「そうだな。顔色も悪いようだし。月村、頼んだ。帰った方がよさそうなら、担任にも報告をしなさい」
「わかりました」
行こうか、と彼女が促し、私は彼女の腕に背中を押される形で、保健室に歩いた。













S-side

あろうことか、あの体で彼女は体育に出ることにしたらしい。彼女はおそらく5人で過ごせる「今」を大切にしたいのだろう。私も迷った挙句、止めなかった。
しかし、体操を終えただけで彼女の体はまた傾いだ。首をひねって誤魔化したが、また。もう堪えられなかった。声をかけようとしたその時だ。
「せんせー、高町さん、熱でふらふらしてまーす」
はやてちゃんが、異変に気付いた。
強引に休ませるための一手を打ち、こちらをちらりと見た。あとは保健委員の私が、彼女を連れていけばいい。私達五人の中で、思いやりを最もスマートな形で示せるのははやてちゃんだと改めて思う。
「高町、大丈夫か?」
彼女に体育教師が尋ねる。
「少し・・・」
彼女は、まだ逡巡していた。
「少し・・・えっと・・・」
もういい。もう十分だ。これ以上彼女の体がきしむのを見続けることはできなかった。
彼女と先生の間にそっと割り込む。
「先生、私がつきそってもいいですか?」
平静を装った微笑みで、静かに尋ねる。
体育教師はなんの不信感も抱かずに許可をした。私は彼女に逃がさないように、背中に手を回し、保健室へと促した。











N-side

保健室に来ると、彼女はベッドを準備してくれた。あいにく、養護教諭がおらず、彼女が準備したベッドに私は腰掛ける。
「にゃはは、ごめんね。実はそんな大したことないんだ。はやてちゃんが・・・っ」
彼女は唐突に左腕をつかんだ。腕の怪我はまだ完治していなかったので、私は思わず表情にでたはずだ。
「まだそういうこと、いうのかな?なのはちゃん」
ジャージの袖をまくられる。少し血のにじんだ包帯と、複数のあざが露わになる。
「みんなに会いたかったの?」
彼女の右の掌が私の頬を包み込む。温かい、そう感じた。私は少し迷って頷く。
「そっか。でもこれじゃ、みんなに心配かけちゃうね?」
温かい右手が頬を静かに滑りながら、私の輪郭にふれていく。
「来ないほうが・・・」
・・・よかったよね。
おそるおそる私は返すと、彼女は首を横に振る。それはちがう、と。
「みんななのはちゃんを心配してたよ。そして会いたかった」
私の輪郭が彼女の右手になぞられると、そこがじんわりと温かく心地よかった。
「みんなはね、いや、私はね、なのはちゃん。こんなに傷つくまで戦ってほしくないんだけど、それは難しいんだよね?」
彼女の右手が私の顎の下でとまった。顎を持ちあげるように固定され、私はだまって頷くことができなくなった。此の質問に、彼女は口に出して答えてほしいらしかった。
「あの・・・」
彼女の藍色の瞳は、私の視線をしっかりと捉えて、離そうとしない。嘘もごまかしも意味をなさない、真剣な問い。
「・・・うん」
彼女が望まない答えであっても、しかし私は答えざるを得なかった。
「そっか。ありがとう、なのはちゃん」
彼女はいつものように優しく微笑んだ。藍色の瞳は、涙の厚みでいつもより輝きを揺らしているのが分かる。一度だけ。彼女は保健室に入ってからたった一度だけ、背後を振り返って私から目を逸らした。再びこちらに向き直った彼女は、突然、少し屈んで、ベッドに腰かけていた私の足を持ちあげると、そのままベッドに寝かせる。
「でもね。私の痛みも、少しだけ。分かってもらいたい、かな」
ぞくり、と。背筋に冷たいものが走った。













S-side

「そっか。ありがとう、なのはちゃん」
相変わらずの彼女の返答に私はいつも通り微笑むことができただろうか。空色の瞳は不安げに揺れた。どうやらできなかったらしい。一度だけ。二人きりになってたった一度だけ、私は彼女から目を逸らした。再び彼女に向き直る。心を決めた。ベッドに腰かけていた彼女の足を持ちあげるて、ベッドに寝かせる。
「でもね。私の痛みも、少しだけ。分かってもらいたい、かな」
・・・あなたには知ってほしいから。あなたがどれだけ傷ついていて、私がどれだけ傷ついたのか

彼女が震えたのが分かった。
しかし私はベッドの脇にたち、そのまま抱きかかえて、長袖のジャージを脱がせる。露わになったのは思った通り、負傷した両腕だった。
「利き腕だからかな。左腕の方がひどいね」
私は、上腕にまかれた包帯や左腕全体に広がる皮下出血を一瞥する。
「あの、ね。見た目はひどいけど、そんな・・・んっ・・・んむっ」
私の左手が彼女の口を塞いだ。そのまま皮下出血のひとつに唇を近づけて、思いきり吸い上げる。吸い上げたリップ音と共に彼女の声が痛みに震えたのが、左手越しにわかった。
「そんなにひどくない、か。ちょっと触っただけで痛いみたいだけどね?」
彼女の空色の目をまっすぐ捉えてそう言うと、彼女は堪え切れず視線を逸らそうとした。
私は彼女の口から左手を離して、両手を使って彼女の体操服をめくり上げる。そこにもやはり、腹部の打撲痕があり、数か所あざが見受けられる。
「腕だけじゃないのかな。多分、背中とか、すねとか、ふふふっ、体中あるんだよね」
私は、彼女の腹部にあるあざのひとつに、中指のつめを立てて押した。
「いっっ・・・」
痛みに彼女は思わず声をもらす。
「ねぇ、なのはちゃん。痛いでしょ?」
彼女は答えない。うろうろと視線がさまようので、私は左手で彼女の顎を固定した。
「あがっ・・・」
こうなってはもう視線を逃がせない。
「っ・・・はぁっ・・・」
何も言わずにもう一度、腹部のあざを爪で押した。
「いっ・・・ぁっ・・・」
彼女の空色の瞳にたまった涙は、彼女の目尻から溢れ、彼女の耳の方へと真横に流れていく。



―――ねぇ、なのはちゃん。



彼女の涙を舌先で救うと、彼女は小さく震えた。



―――私だってすごく、痛かったんだよ?



【END】











すずかさんは万人に対してきっとドSにちがいない。まちがいない。とプチモルトは思いました。






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プロフィール

プチモルト

Author:プチモルト
お越しいただきありがとうございます♪

下手なのですが。
百合ん百合んなSSをかいちまおう
と腹を決めました!!


リリカルなんとかの教導官重視。
なのはさんが絡めばどのカプも歓迎♪

好きすぎていろいろなことを
させてしまうのはご愛嬌!!

最近は他の百合カプにもわき見運転中w

百合(女性どうしのアレコレ)とかとにかく苦手なかた、
イチハチ(性的・暴力的)表現アウトなかたは、
ブラウザバック!!
まだ間に合いますヽ( ゚□゚)ヾ

あと、読む前に必ず
※あなたの身を守る注意書き※
を読んでください。

すべて許容いただけるかたのみ、
お試し版からご覧ください。

コメント欄の利用を
コミュニケーション手段にしたい
…のですが、

内緒のお話があれば、
petitemort2012★gmail.com
(★を@に)

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