始めたばかりでなんとなく手探りの状態ですが、
何かアドバイスをいただけると幸いです♪
きっとあまりにアレでアレな駄文なので、アドバイスを考えている間に次のアドバイスを思いつきそうな感じですが…
しばらくはスタンダードに教導官と執務官を扱おうと思っています。
けっこう他のカップリングも好きですが…
今回は、なのはさんが押せ押せな感じです。
追記よりご覧くださいませー
食堂から出ると、綺麗な金髪が目に入った。
何やらはやてちゃんとお話ししているのは…そう、フェイトちゃん。
「その件については、ギンガに任せているんだ。大丈夫、情報が入り次第、はやてとリインに共有するから」
「わるいな、フェイトちゃん。あれこれたくさんたのんでしもうて…
なんやその…無理とかしてないか?
私が言うのもなんやけど、きちんとやすまなあかんよ?」
「大丈夫だよ。はやてとリインもきちんと休まなきゃいけないよ?あのシグナムでさえ、『テスタロッサ、お前からも主はやてを諭してくれ…』って困り顔をされてるくらいなんだから」
「そうですよーはやてちゃん。きちんと休むように言ってるのに、はやてちゃんったら全然聞いてくれないからリインも困ってるんですよー」
「ふふふっ、私はリインにも言ってるんだよ?」
「は…はいです…」
私は少し距離をおいて三人の会話を聞きながら、相変わらず他人の心配ばかりしているフェイトちゃんに少し笑顔がこぼれた。
――カタッ
突然背後から何か物音が聞こえた。しかし、食堂の出入り口だからそこまで気には留めない。三人のほうへ歩み寄りながら、フェイトちゃんの肩に手を乗せる。
「フェイトちゃん?ひとのことを心配するってことは、自分の休暇は消化してるってことだよね?」
「な、なのは…っ」
「あはは、なのはちゃん助け舟おおきにー。ほなリインいこか?」
「あ、ちょっとはやて、まだ話は終わって…」
「報告事項は聞いたで?あとの説教部分は省略可ゆうことで、ほななー」
「はやてちゃん?確認しておくけど、次はないからね?ちゃんと休みはとらないと」
私は、はやてちゃんたちの背中に向かって苦笑しながら声をかける。
「了解や。ふたりほど無茶な子やないから心配せんでもええよー」
「お二人とも、失礼しますです」
リインとはやてちゃんはすぐに見えなくなってしまった。
――カタッ
また何か聞こえた。食堂のドアのせいかは分からないが少し気になる。誰かそこにいるのだろうか。
「それじゃ…なのは…わたしも…」
しかし私は、フェイトちゃんの肩にのせていた手を素早く動かして、彼女の肘をつかんだ。
「なっ、なのは!!」
「だめだよ、フェイトちゃん。今日はこれでオフ。待機シフトだけどね。シグナムさん構いませんよね?」
食堂のゲートへ続く廊下の角に向かって呼びかけると、やはりそこにいたのはシグナムだった。
「…なんだ、気が付いていたのか…」
「シグナム?」
シグナムさんは「誇り高きベルカの騎士」だからか分からないが、身内の話をうっかり立ち聞きしてしまうとほぼ100%ばれてしまう。
私が今シグナムさんかもしれないと思ったのもそれが理由だ。
戦闘では、立ち回りの音など見事に隠してのけるのに、どうしてこういう時にばれてしまうのか本当に不思議だ。他人の話を聞いているという罪悪感が「誇り高きベルカの騎士」にそうさせるのかもしれない。
「いえ、勘です」
「エースは侮れんな。いずれまた勝負を…」
「いえいえ、それはフェイトちゃんと…」
「なんだ、つまらん」
シグナムの誘いに慌てて断りをいれ、フェイトちゃんとの模擬戦を提案する。
「それはそうと、テスタロッサ。今夜はオフだ」
「シ、シグナム…っ!!」
「ほら、フェイトちゃん。そういうことだから。お部屋もどろうね?」
「でも、まだ仕事があるから…」
フェイトちゃんはどこまでも真面目だ。しかしそう言って何日もまともに寝ていないことを知っている私としては譲れない。
もともと食事が終わったら、フェイトちゃんを強引に迎えに行き、強引に連れて帰る予定だったのだから。さっきシャーリーに聞いたところでは、残っている作業は、報告用資料を下書きからおこす入力作業のみだそうだ。
こんな絶交の日に、ここで引くわけにはいかない。
………あ、そうだ。あの手があるじゃない!!
「フェイトちゃん…」
「な、なに…?なのは…(なんでだろう…嫌な予感がする)」
「フェイトちゃんは私と一緒にお部屋に帰るのが嫌なんだね…」
下を向いていかにも悲しそうな演出をする私に、フェイトちゃんは面白いほど狼狽える。
「そんなことないよ…っ…なのは…!!」
「ほんと?」
小首を傾げて見上げるようにフェイトちゃんの視線を捉えると、フェイトちゃんは壊れたように頷く。
「それじゃ、決まりだね!!」
「あ…でも…本当にそうしたいんだけど…その…」
フェイトちゃんは、シグナムさんに「お願いシグナム、なのはを説得して!!」という念話を送っていそうな顔をした。しきりにシグナムさんをちらちら見ている。
「残念だが、本気の高町なのはをとめることは私でもできん」
「シグナムっ!!」
………やっぱり。
シグナムさんは時々念話で話しているのに、声に出すことがある。主に被害にあうのはザフィーラとフェイトちゃんだけど。
………あ、来た来た
「エリオ、キャロ、ちょっといいかな」
「あ、お疲れ様です。なんでしょうか」
「フェイトさん、あの…どうかしましたか…」
エリオの元気な声と、明らかに項垂れているフェイトちゃんを心配するキャロの声がシンクロする。
「フェイト隊長。これから待機シフトに移行するから、ライトニングの指揮は一時的にシグナム副隊長がとります。一応気に留めておいてね?」
「「はい!!」」
エリオとキャロにも伝えたし、あと残るははやてちゃんだけだ。
コンソールを叩いてウィンドウをだすと、通信をつなぐ。
「あ、はやてちゃん、今いいかな?」
「ん?フェイトちゃんの件やったら了解や。しっかり休ませたってな?」
はやてちゃんはいつものことながら話が早い。
「ありがとう。しっかり休ませるよ」
「ほい、そんならなー」
――ピッ
「さ、フェイトちゃんそういうことだから、早くいこうねー」
「テスタロッサ、ゆっくり静養しろ。高町一尉、頼んだぞ?」
「了解です。シグナムさん♪」
「「おつかれさまですっ」」
私は、もうかなり前から状況についていけなくなったフェイトちゃんの手を握る。
「な、なのは…はずかしいよ…」
「うん。でもフェイトちゃんが素直にお部屋に行かないかもしれないし…
ほら、もともとフェイトちゃんがお休みをとるのを拒んだのがいけないんだから、
日頃の素行点を加味して当然のことだよ」
「手をつないで歩く」という行為を無理やり正当化した私は、強引にその手を引いて部屋へと向かう。
「あ、なのはさんとフェイトさんだ!!お疲れ様ですっ」
「本日もお疲れ様です」
廊下を曲がるとティアナとスバルに出会った。それぞれ個性のある挨拶が微笑ましい。
「ふたりとも、おつかれ」
「お…おつかれさまです…」
私はともかくフェイトちゃんは私と手をつないでいる照れから上手く挨拶ができないまま、通り過ぎてしまった。
「フェイトちゃん、恥ずかしい?」
「あ、えと…そう…なのかな…よくわからない…」
しかしすでにフェイトちゃんの耳はほんのり赤く染まっていた。
「ふーん、そーんなフェイトちゃんとはもう手をつなぎませんよーだ」
面白くなって手を放してみる。
そして歩く速さを上げた。
「なのは…まって!!」
それでも足をとめずにひたすら前にすすんだ。何となく意地になって、エレベーターもひとりで先に乗り込んで、ドアを閉める。
「ちょっ…まって…っ…なのは…」
エレベーターが閉まる直前にフェイトちゃんの顔が見えた。意識してなかったけれども、フェイトちゃんが手をつなぐことに恥ずかしさを示したことが相当こたえたらしい。
逃げるようにしながらようやくついた私たちの部屋。
中で待っていよう、と思い、扉を開けようとした時、肩に手が置かれた。
階段を走ってのぼったらしく、荒い息が当たる私の首元が、ほんのりと湿り気をおびた。
少しドキリとしたが、それを気づかれるのは悔しいので、平然とした顔をして振り返った。
「もう、遅いよフェイトちゃ……んっ…」
………あぁ、もう。ずるいなぁ。平気な顔、したかったのに…
唇が離れていく瞬間、私は切なそうな顔をしたのだろう。
熱い舌がおまけのように飛び出して、私の唇を舐めていった。
「心配してくれたこと、ちゃんと分かってるんだ。だから…その…ありがとう」
フェイトちゃんの口から紡がれる言葉は、空気を柔らかく振動させて、私の耳の中に飛び込んだ瞬間に大きく爆ぜた。
《END》
ヴィータ:「おいおまえら、イチャつくなら部屋の中でしろっ」
なのフェイ:「「…っっ、はーい」」
ってたしなめられたらいいなー的な展開。